お遍路さんの基礎知識

お遍路さんの基礎知識

初めてのお遍路には分からないことがたくさん。何を準備したらよいのか、どうやってお参りしたらよいのか。
これからお遍路をはじめてみようと思っている方のお力になれれば幸いです。
「服装」「巡拝用品」「参拝の仕方」「納経」「お遍路さんのマナー」など…

服装について

四国遍路の出で立ちは、本来は写真のようなおなじみの聖地巡礼の正装が好ましいですが、少し略される方は洋服の上から白衣と輪袈裟を付け、金剛杖・念珠を持てば良いでしょう。

・菅笠(すげかさ)
 菅笠は、帽子などに比べ大きいので、日よけ、紫外線対策の点で圧倒的な威力を発揮します。

・白衣(はくい)
 白衣の背の中央に「南無大師遍照金剛」とご宝号が書かれています。弘法大師の修行の跡を巡るので、宗派に関係なくこのご宝号入り白衣を着用します。

・輪袈裟・輪袈裟止め(わげさ・わげさどめ)
 輪袈裟はお坊さんが法衣として首から斜めに掛けている袈裟の略式で、聖地巡拝の遍路には欠かせない法衣です。輪袈裟止めは、白衣と輪袈裟を重ねて止める便利な小物です。

・山谷袋(さんやぶくろ)
 納経帳が入るサイズになっており、お遍路さんの持ち物は全てこの山谷袋に入れて巡拝します。

・金剛杖(こんごうつえ)
 金剛杖は弘法大師自身を現し、同行二人と書かれています。同行とは同じ道を歩むという意味です。たとえ一人でも遍路の傍らには弘法大師が影の様に寄り添って歩いておられます。遍路はいつもお大師さんと二人連れなのです。

・念珠(ねんじゅ)
 念珠は心身を清浄にして仏への帰依を表します。巡拝の必需品ですが、簡単な腕輪タイプの数珠でも結構です。念珠は親玉を上にして、必ず左手に持ちます。決して念珠は首から掛けないようにしてください。

・持鈴(じれい)
 金剛杖と鈴を合わせた形の法具です。

・巡拝ズボン

巡拝用品について

お納経とは各札所でお経を唱えたり写経を奉納した印に納経所で納経軸や納経帳に頂くものです。頂いたお納経は一生のお守りであり、悩みのある時は、これを礼拝します。納経軸は表装をし家宝として仏事を始め家庭行事の折々にお飾りください。

納経軸 ※お納経
納経軸は紙の台紙の上に絵絹を仮止めしたものです。この絵絹の決められたスペースに納経を頂き、丁寧に乾かして巻き込み次の札所に進みます。

納経帳 ※お納経
各寺の本堂と大師堂のお詣りの後、お納経を頂きます。納経帳は重ね印といって2回、3回とお詣りするたびに朱印のみ重ねてゆきます。

白衣(印取り用) ※お納経
お軸や納経帳と同じく白衣にもご宝印を頂きます。お遍路さんの旅立ち(浄土の世界への)の時に着せてあげるために準備し、大切に保管します。お浄土への通行証でもあります。

納め札
納め札に前もって巡拝年月日と住所・名前・数え年を記入しておきましょう。各寺に2枚(本堂・大師堂)ずつ納めます。1~4回までは白札です。

線香・ローソク
1回にローソク、線香(3本)をあげ、経本に従ってお経をお唱えください。ローソク・線香は種火からお付けいただくかマッチ等を使用し、もらい火はしないでください。

経本
読経の時に必要です。

参拝の仕方

順序①

寺の山門前で合掌一礼する
(お大師様のお出迎えに対する礼儀)

順序➁

山門をくぐったら口をすすぎ、手を洗い、身を清める。

順序➂

鐘楼堂にて梵鐘をついてもよいです
(ゆっくりと2打)
お大師様にお参りに来ましたよ。と言った挨拶です。お参りを済ませた後で鐘をついてはいけません。戻り鐘といって、もう一度お参りをしなければなりません。

順序④

本堂にて納め札、写経、お賽銭を納め、
ローソク、線香(3本)をあげ、合掌して読経します。

※読経例

1.合掌礼拝
<胸の前で合掌し三礼しながら「うやうやしくみ仏を礼拝してたてまつる」と唱えます>
2.「開経偈」を一返唱えます
3.「般若心経」を一巻唱えます
4.各札所の「御本尊真言」を三返唱えます
5.「南無大師遍照金剛」を三返唱えます
6.合掌一礼
<「ありがとうございます」と述べ、合掌し一礼します>

順序➄

次に大師堂に参拝して、本堂と同じように礼拝する。お参りが終わったら納経所にてお納経を受けてください。

順序⑥

お寺を出る時は、山門にて合掌・一礼をする。

お遍路さんの知っておきたいマナー

・灯明の際、もらい火をしないようにマッチ、ライターは必ず持参してください。
・橋の上では杖をつかないように。
 (お大師様が今でも橋の下で寝ておられると考えられています)
・念珠は首に掛けてはいけません。必ず左手に持ってください。
・巡拝の途中で他のお遍路さんと出会ったときは、挨拶を交わしましょう。
・地元の方から頂いた「お接待」は快くいただきましょう。

お遍路さんには 何を用意したらいいの?

是非、揃えておきたい巡拝用品

・着用白衣白衣の背の中央に「南無大師遍照金剛」とご宝号が書かれています。
弘法大師の修行の跡を巡るので、宗派に関係なくこのご宝号入り白衣を着用します。
・輪袈裟輪袈裟(わげさ)はお坊さんが法衣として首から斜めに掛けている袈裟の略式で、聖地巡拝の遍路には欠かせない法衣です。
・金剛杖金剛杖は弘法大師自身を現し、同行二人と書かれています。
同行とは同じ道を歩むという意味です。
・念珠念珠は心身を清浄にして仏への帰依を表します。
巡拝の必需品ですが、簡単な腕輪タイプの数珠でも結構です。
・ローソク、線香本堂と大師堂にて、ローソク1本、線香3本をあげてお参りします。
・納め札各寺で2枚(本堂と大師堂)納めます。巡拝が1~4回までは「白札」です。
・経本読経の時に必要です。

納経用品

各寺院にて別途必要です。【納経軸 500円】【納経帳 300円】【白衣 200円】

・納経軸八十八ヶ所と高野山奥の院の全ての納経を頂くと結願となり、表装をして掛軸にお仕立てする事ができます。※宗派別の納経軸もございます。
・納経帳納経所で御納経を書いてもらうために必要な綴本です。
・朱印用白衣納経所にてご朱印を押してもらう白衣です。※宗派別の朱印用白衣もございます。

巡拝にあったら便利なもの

・山谷袋山谷袋(さんやぶくろ)は、納経帳が入るサイズになっており、お遍路さんの持ち物が収納出来ます。
・菅笠菅笠(すげかさ)は、帽子などに比べ大きいので、日よけ、紫外線対策の点でオススメです。
・御影保存帳御影(おみえ)とは、納経軸や納経帳に納経をしたときに頂けるご本尊が入ったお札です。
御影を大事に収納することができます。
・輪袈裟止め着用の白衣と輪袈裟を重ねて止める便利な小物で、輪袈裟(わげさ)のズレを防止します。
・灯光セットローソク・線香を収納でき、巡拝時に取り出すのに大変便利です。

巡拝用品のご相談も、お気軽にお寄せください。